シンポジウム「御堂筋に自転車レーンを!」(3/24)を開催しました

「自転車まちづくり交流イベント2013 ~御堂筋に自転車レーンを!~」(御堂筋サイクルピクニック番外編)

時=3月24日(日)午前10:00~12:00

場所=大阪市中央公会堂地下 大会議室

参加者=23人

「街中での自転車の使い方」、「大阪のメインストリート御堂筋での自転車走行のあり方」を考えるシンポジウムを開催しました。暖かな気候のもと、自転車で会場まで来られたも多く見受けられました。

参加されたみなさんの“自転車力”に対する熱いまなざしを強く感じました。

第1部では、これまでの自転車文化タウンづくりの会の活動について報告。

自転車文化タウンづくりの会幹事長の藤江より、御堂筋サイクルピクニックの取組み、「御堂筋に自転車レーンをつくるとしたら、どのようなものがいいか」の提案「おすすめ!自転車ルートマップ」、自転車に関する好事例を集める企画「第三回まちなか自転車空間コンクール」などの報告がありました。

第2部の講演「国内外における自転車最新事情」では、吉田長裕氏(大阪市立大学講師)より、海外の自転車政策や自転車レーン、交差点処理、自転車利用者の意識、日本の先進事例について報告いただきました。

写真をたくさん見ることができたので、自転車の走行空間について具体的にイメージすることができました。

第3部は「御堂筋の走り方」についてパネルディスカッションを行ないました。

<パネラー>

今西頼久氏(今西土地建物株式会社代表取締役、NPO御堂筋まちづくりネットワーク都市環境部会副部会長)

西塙 美子氏(特定非営利活動法人おおさか元気ネットワーク

井上守氏(井上守建築事務所代表、自転車文化タウンづくりの会・副代表)

<進行役>

吉田長裕氏(大阪市立大学工学研究科都市系専攻講師)

左から進行役の吉田長裕氏、パネラーの今西頼久氏、西塙 美子氏、井上守氏

イベント参加者に記入いただいた「意見カード」を基に、吉田先生と各パネラーによる意見交換。

◎なぜ、今、自転車なのか?、なぜ、御堂筋に自転車レーンなのか?

・  御堂筋の管理が国から大阪市に移管され、様々な提案が出ているが、「自転車」に関して記述されているものは少ない。

・  「歩行の延長としての自転車」と「かなりの走行能力を持つ自転車(軽自動車的)」との区分が成されていない。

・  普段から自転車に乗っているが、そもそも自転車で車道を走るなんて想像できない。歩いている時に後ろから自転車が来ると怖いと思う。

・  業務での自転車利用が多いが、駐輪場がない、一般の自転車のルールが守られていない。

・  みんな、そういう感覚で育ってきていると思うが、そろそろ「自転車はどこを走ったらええのか?」を整理する時期ではないかと。そう考えると、やはり「車道」ではないか。

・  御堂筋にもいろんな使い方があるが、自転車に関してはベースとなるルールが無いので困っている。区域によっても、使い方が異なるので、ゆるやかな運用が必要では。

◎経済的な視点から考えると

・  これまでのビル建設にあたっては、駐輪場の整備などは想定されていなかった。しかし、附置義務条例ができて、これからは整備されていくと思う。

・  ビルに関しては、税制の問題、原価償却(大体50-70年)なども考慮していく必要あり。

・  自転車についても、経済的な側面から検討する必要がある。マーケットでいうと、自動車は43兆円、自転車は1,000億円、430倍程の差があり、自転車に関する意見はなかなか拾われてこなかった。

・  現在、自転車の活用が言われているアメリカでも、「自転車は忘れられた存在」と言われた時期があった。しかし、健康面などからも必要性が増している。

・  大阪市では、放置自転車対策として億単位の多額な費用がかかっている。適切な利用の仕方に転換していく必要がある。しかし、そもそもニーズが分っていない。データも無いので計画のしようがないのが現状。ニーズに合わせた提案が必要。

◎御堂筋の現状の課題と未来、そこでの自転車の役割

・  パリのシャンゼリゼ通りは幅20m。御堂筋も歩道と緩速車線を含めれば19m程あるので、次世代のモデルとなるような使い方ができるのではないかと思う。

・  日本の都市はエネルギー効率が良いコンパクトなまちだと世界から評価されている。自転車を適正に導入することで、より効率的なまちになるのでは。業務のグリーン化と併せて、マナーアップ、まちと人との相互の理解が進めば良い。

・  自転車走行の良さは、季節感を感じられること。それはオフィス街としての快適さとつながっている。

・  アメリカでは、税の一部を地区のマネージメントに活用できるという制度もある。改めて、御堂筋を使いこなしていこう!ということでは。

・  三休橋筋などのようなコミュニティ道路で、自転車を通さない道があっても良い。しかし、そこまで話を広げる前に、重要なのは「自転車は車道を走る」ということの再確認だと思う。

・  今年の夏以降になるが、本町通りでは、自転車レーンの試行が行なわれる。今日の議論でもそうだが、地域の方や、いろんな分野の専門家の意見を出し合って議論しないと解決できない。

・  自転車の走行空間を確保することだけを考えるのではなく、緩速車線に、歩道などアメニティスペースを獲得することをめざしつつ、その中で自転車の走行空間をどう取り入れるかを考えていくことが重要ではないか。

こうした意見を踏まえて、参加者からのアンケートからは、

「分りやすい内容でよかった」、

「日本・海外事例の紹介など参考になった」

「自転車関係でない方の率直な意見が聞けてよかった」、

「立場を異にする方が会することでいろんな可能性が見えてくる、いい場になったと思います」、

「継続して開催していただきたい」、

「御堂筋の自転車レーン案をもっと掘り下げる部分がほしかった」、

「もっと幅の広い、例えば年齢制限とか5歳未満は通っちゃダメとかを考えないといけないのでは」、

「提案書を議会の全会派に提案していただきたい」、

「御堂筋をもっとにぎわいのある視点からの自転車レーンという形で話をすすめることが、今後の展開に必要と思いました」

「事故の対応、防災上の活用などの話も聞いてみたい」

といったご意見をいただきました。

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

(記:下田)

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